体に日本的なDNAを感じざるを得ない毎日を過ごしています。
一日の様子を肌で感じて、ふと浮かぶ節が百人一首の一節だったりと。
これは不思議なもので、ノルウェーにいると余計にそう感じる事があり、
美しい景色をみては、雅やかな気持ちになったり、
お祝い事を見れば、おめでたい気持ちになったりと、
翻訳しがたい出来事がよく起こるんです。
最近は持統天皇の詠んだ一句が頭にふと浮かびます。
春すぎて 夏来にけらし 白妙の
衣干すてふ 春の香具山
なんとなく夏っぽい絵です。
この句は、白妙の(コウゾなどの植物繊維で織られた布)
夏らしい着物の白色や山の緑とのコントラストが詠まれた
なんとも夏らしい爽やかさが表現された句なんです。
想像すると勝手に入道雲とか晴れ渡る青空、頬を通る風さえ感じられます。
それはもう、爽快な情景でジメジメも吹っ飛ばせそうですよね。
こういった句の世界観は、その全ては描かれていなくとも、
長い歴史と文化の中で培われてきた常識や美意識とともに楽しむ
日本独特のものです。なので、海外の人に伝えたくても
その全てを伝えるのはとても難しいのです。
だけど、やはり美しいですよね。
なので私はいつも、その全てに共通する美しさを求めて
物作りに励んでいます。なるべく多くの、そしてボーダレスに
美しく、あたたかい、そういう愛に溢れたものを作りたいと
今日もそう思いました。
ではまた!
Tusen takk for deg!