2020年7月17日金曜日

Harmoni その2

早くキラキラの太陽に会いたい!
伊藤文子です。
前回に引き続き大作(?)Harmoniの解説をいたします。

その1では画材や、サイズ、ストーリーなどを解説いたしました。
その2では経緯をご説明しようかと思います。

もともとこの絵を描くきっかけになったのはもちろん私の大切な場所
ノルウェー・ハルダンゲル地方の影響が強くあります。
作品作りのインスピレーションの泉は、多くの場合ノルウェーなのです。

Harmoni誕生までの道のりのスタートは2018年まで遡ります。
西ノルウェーの伝統民族楽器、ハーディングフェーレの製作やリペアをなさる
職人さんとお会いしたのが始まりです。

その職人さは原圭佑さんと言う方で、私の心のふるさとハルダンゲル地方
の伝統楽器の製作を学ぶためノルウェーに単身渡航されました。
私が帰国する前に現地の知り合いから彼の話だけ聞いており、
彼が私の絵本を現地で買い、そして、2018年の初頭に日本で初めて
お会いしました。

すでに秋の個展企画を考えていた私は、すぐにコラボのお願いをして、
原さんからは引き受けてくださる雰囲気だったので、
一緒に何か作るのは楽しいだろうと思っていました。
夏たまたま同じ時期にノルウェー滞在となったので、原さんがどんなものを
作りたいのか、話したり探ったり調べたり、
ハーディングフェーレの工房見学までしたのですが、
結局原さんからは指輪という答えしか返ってこなかったので
それをヒントに私は絵本を作ることにしました。

この楽器には住んでいた時、触れる機会が多かったのですが、
プロでは無いのでやはり色々知るのも大変でしたし、原さんから何か
引き出すこともできず、なんとも煮え切らない思いのまま
どうにか指輪を作る小さなお話を作りました。
そして、原さんの手作り指環と私の手作りの布絵本にしました。
これが「月と太陽の指環」です。




布絵本に加え、あとがきつき冊子も個展で販売しました。
あれ?Harmoniは?と思われるかもしれませんが
そうHarmoniの元は月と太陽の指環なんです。
月と太陽の指環は縦長、上下に目が動くように作られており、上に女の子
下に男の子の構図で作られています。
この子たちを本来あるべき姿に近づけたのがHarmoniかなと思っています。


どうしてHarmoniを描いたかと言うと、せっかく職人さんの取材をしたのに
楽器のひとつも登場しないのが残念だなと思って、どうしても
ちゃんと描きたかったんです。ノルウェーと言う場所と伝統の楽器、
音や色、それをしっかりしたものにしたいと思ったのが経緯です。

そして実は工程がかなり大変で、それについてはその3でお話ししましょう!
Ha det bra!

月と太陽の指環の小冊子はこちらで販売中
https://zine.mount.co.jp/98# (7/19までの予定です)

原圭佑さんのページ
https://www.keisukehara.com/

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