2020年7月16日木曜日

Harmoni その1

梅雨寒、伊藤文子です。
冬物はしまったんだけど、寒いような、暑いような
そんな日ですね。
今日は私の大きな絵画について説明します。

ノルウェー暮らしの経験もあって、常日頃から言葉よりも
ただ感じるもので世界中の人に伝えたいと考えています。
でも、いつもどこへ行っても今の世の中は説明、プレゼンで、
どうしてこんなに感受性が豊かじゃないのだろうと思う事が多いです。
そんな折、色々な方がSNSを活用し、作品発表とともに
制作過程などを話されているのをみて、わかりやすく噛み砕くのも
いいのかなぁと感じました。ですので、今回は絵について
お話しします。

Harmoni (調和)
これはノルウェー語です。英語で言うとharmonyです。
P100と言う私にとっては大きな162㎝×112㎝と言うサイズです。
横幅は私より大きいです。
使用画材はズバリ色鉛筆のみ。それはそれは私にとっては大きな戦いでした。
ふんわりした色合いを出したければパステルの方が楽だろうな
と思ってはいたんですが、そこは無駄にこだわりがあったのか、
なかったのか、全て色鉛筆でしあげました。大切に描きたかったんです。
ほぼ毎日少しずつ描いていっておよそ2ヶ月弱。。いや
1ヶ月半かな、とにかくそのくらいの時間がかかりました。
 


左下に男の子、右上に女の子そして海の景色。
海の景色、これは私がノルウェーで暮らしたハルダンゲル地方の景色
がベースになっています。フィヨルドの海と山そして帆船。
静かな海に帆船が描く水面、田舎町を思わせる小さな家々、とノルウェー
の田舎を訪れたことのある方ならなんとなく理解してくださるように思います。



男の子は西ノルウェーの伝統楽器ハーディングフェーレを奏でています。
そして上の女の子は明らかに人間ではないですね。
確証はないんですが雲の上から地上を覗いては、光の雨を優しく降らせて
人々の良き行いを助ける、そんな存在です。
彼女はまだ半人前の天上人(?)、そして男の子もまた学びの中におり、
男の子は空の上に、そしてなるべく広くたくさんの人に美しい響きが
届くように努力を重ね、奏でている。
それをいつも見守っている女の子は、そっと手助けしたいと
月や太陽の光のを日々集めそれを天上から雨のように注ぎ
地上の響きと共鳴し、ひとつの調和が生まれる。
そんな物語を思い浮かべながら描きました。

説明を書き上げると自らの想像力に、恐怖さえ覚えます。
お前の頭の中、とんだメルヘンだなっ!となります。笑

この絵を描くのにハーディングフェーレの曲は勿論、なぜかユーミンの曲を
たくさん聞きました。
左下からハーディングフェーレの音、右上からはユーミンの音なのでしょうか・・・
作者本人は感覚だけで描いているのでよくわかりませんが
そうやって制作したのは事実です。

天と地の調和と共鳴のような、平和で清い心に愛情が宿るというような
神話チックな絵です。
この作品の中に色は勿論のこと、音や光、愛情、慈雨、自然など
色々な要素が含まれていてタイトルづけに困りました。
数々の芸術家が「無題」と言う作品を多く残したのにも納得です。

さて、ではどうしてこの絵を描くことになったのか。。。
これについては次回にしましょう!

記入の無い絵を見たい方は現展のページへどうぞ!
http://art-genten.com/tenrankai.html

Tusen takk for deg!

0 件のコメント: