2019年6月18日火曜日

ふと思ふ 百人一首

日本も大好き! いとうあやこです。
体に日本的なDNAを感じざるを得ない毎日を過ごしています。

一日の様子を肌で感じて、ふと浮かぶ節が百人一首の一節だったりと。
これは不思議なもので、ノルウェーにいると余計にそう感じる事があり、
美しい景色をみては、雅やかな気持ちになったり、
お祝い事を見れば、おめでたい気持ちになったりと、
翻訳しがたい出来事がよく起こるんです。
最近は持統天皇の詠んだ一句が頭にふと浮かびます。


春すぎて 夏来にけらし 白妙の
衣干すてふ 春の香具山

なんとなく夏っぽい絵です。


この句は、白妙の(コウゾなどの植物繊維で織られた布)
夏らしい着物の白色や山の緑とのコントラストが詠まれた
なんとも夏らしい爽やかさが表現された句なんです。
想像すると勝手に入道雲とか晴れ渡る青空、頬を通る風さえ感じられます。
それはもう、爽快な情景でジメジメも吹っ飛ばせそうですよね。

こういった句の世界観は、その全ては描かれていなくとも、
長い歴史と文化の中で培われてきた常識や美意識とともに楽しむ
日本独特のものです。なので、海外の人に伝えたくても
その全てを伝えるのはとても難しいのです。 

だけど、やはり美しいですよね。
なので私はいつも、その全てに共通する美しさを求めて
物作りに励んでいます。なるべく多くの、そしてボーダレスに
美しく、あたたかい、そういう愛に溢れたものを作りたいと
今日もそう思いました。

ではまた!
Tusen takk for deg!